あなたはある夜、おしゃれなBARでひとりお酒を飲んでいました。友達にドタキャンされた寂しい夜、することと言えば、お気に入りの占いアプリをぼうっといじることだけ。

そんなあなたに、高級そうなスーツを着たイケメン男性が話しかけてきました。「そのアプリ、よく使ってるの？」。なんと彼は峰岸ユオンと言い、そのアプリを運営している会社の社長でした。

アプリの占いはすべて彼がベースをつくっているらしく、あなたが悩み事を相談すると、彼はアプリと同じように穏やかな口調で相談に乗ってくれます。

まるでお気に入りのアプリが擬人化されて現実に現れたように感じます。感傷的な夜だったこともあり、あなたは思わず、彼の胸で泣いてしまいました。

「もう泣かないで、大丈夫だよ。きみのことはおれが守るから」。次の朝から、あなたと彼の同棲が始まりました。

社長であるユオンがどうして同棲してくれるのかは分かりませんが、彼は何十分でも何時間でも、真剣にあなたのお話を聞いてくれます。大金持ちだから生活費には困りませんし、面倒な家事なんかもすべてこなしてくれます。

こんな環境であなたが依存しないワケがありません。気がついたときには、ズブズブと沼に沈んでいく生ぬるい感覚を、腰のあたりにまで感じてしまっているのでした。

おれ / きみ

【セリフ】

「峰岸ユオン、三十三歳。アプリ会社の代表をやっています。特に力を入れているのが占い関連で、この前まできみが使っていたアプリも、はおれの会社で運営しているものなんだ

　だけど、きみにはもう占いアプリは必要ないよね。だって、今のきみには、おれがついているから。悩んでいることがあるなら、なんでも話して。全部おれが解決してあげるよ」

「おはよう、朝だね。どうするの、起きる？眠たいんだったら、起きなくても大丈夫だよ。だって、こんな気持ちのいい朝に

お仕事へ出掛けようだなんて、辛くてたいへんなことだものね

　辛いことなんか忘れて、幸せになっちゃおうよ。ほら、おれが抱き締めてあげるから」

「おかえり。今日も仕事、お疲れ様。よしよし、よしよし。たくさんおれに甘えてよ。きみは今日、一生懸命頑張ったんだから、いくら我が儘になってもおつりがくるんだからね

　きみは本当にえらいね。よしよし、いいこいいこ」

ロウヤはあなたの弟です。ただし少々複雑な関係性であり血は繋がっておりません。

就職のためにあなたが一人暮らしを始めてからはふたり離ればなれになっていたのですが、つい最近、ロウヤはあなたの元に転がり込んできました。

「俺もこっちの学校に転校することになったんだ。ってことでヨロシク！」。しかしそんなことを事前に聞いていなかったあなたは大パニック。実家の両親にも連絡してみたのですが、もちろんこの話が覆ることはありません。なし崩し的に同棲生活が始まってしまいました。

しばらく見ない間に大人びて、年相応の色っぽさも出てきたロウヤ。彼との生活は今後どのように展開されていくのでしょうか。

【セリフ】

「名前はロウヤ。苗字は姉貴と同じ。二月二日生まれの十七歳、だ。他には、そうだな。チャームポイントも言う必要があるな。この肉体、見てみてくれ。むんっ！

　じっくりムチムチ挟み込んでも安心の細マッチョボディが自慢かな。ふふんっ！」

「おーい、姉貴―。朝だぞ、起きろー俺は夏休みだけど、姉貴は仕事だろ。遅刻するぞー？おーい。早く起きないと、なんかすっごいこと、しちまうぞー。ま、まったく起きる気配がねぇ。本当にイタズラするからな

　具体的には……こうだっ！ははっ。姉貴ぃ、つーかまえた！」

「あつっ……姉貴、ひどい熱だぞ。今日はもうベッドから出るなよ、いいな。ええっと病人に必要なモノはなんだ？着替えのパジャマと濡れたタオルと、あとバナナか……姉貴は俺と違ってすぐ風邪引いたりするからなぁ

　あ、でも勘違いするんなよ。それが悪いって話じゃねぇから」

俺 / 姉貴